ミャンマーへの旅
今回はインドネシアの話題から離れてしまいますが、二週間前にミャンマー(旧ビルマ)へ行って来ました。ニュースで見るミャンマーのイメージですと安易な気持ちで旅行したら危険な感じがしますよね。確かにビザの申請には時間がかかりますし、予備知識ゼロで旅行するのは無謀かもしれません。ご存知のとおり、ミャンマーは軍主導の軍時体制です。つい最近まで民主化運動活動家のアンサンスーチーさんは15年間自宅軟禁されてました。2007年には反政府デモを起こした僧侶や学生が三千人も拘束され、31人の市民が死亡しました。デモの鎮圧を撮影中の日本人報道カメラマンが銃殺される映像も日本で何度も流れました。ミャンマーの精神社会は仏教が基盤で、政治、経済は軍が主導権を握っています。首都のヤンゴンを歩けば、僧侶もたくさん見かけますが、機関銃をもった軍人もみかけます。
ヤンゴンー朝のラッシュアワー。老若男女を問わずロンジーという巻きスカートをよくはいてます。
ミャンマーは陸続きで5つの国(タイ、ラオス、インド、バングラデッシュ、そして中国)とつながっていますが、海外との貿易も制限され、国境より外国へ行くことは禁じられています。いわゆる昔の日本の鎖国のような状態です。軍事政権は海外でも国内でも評判が悪いですが、でも閉鎖的であったからこそ汚染されず、独特の文化や自然が維持できたともいえます。ここ1-2ヶ月は軍事政権も民主化に傾く姿勢をみせはじめたため、各国の外務大臣がここぞとばかりに競うように訪問し、経済制裁を解除しビジネスチャンスを狙っています。ミャンマーは東南アジアで最も貧しい国のひとつですが、識字率は非常に高く、しかも近隣諸国に比べると人件費がはるかに低いそうです。そして豊富な資源があります。材木や天然ガス、海産資源もありますし、最高級のルビーの産地でもあります。海外資産が入って経済的に豊かになればその反面、他の東南アジアの国々のように貧富の格差、環境破壊や河川の汚染を止められなくなるでしょう。まだ世界遺産に登録されてない莫大な数の遺跡も大量の観光客が世界中から訪れるようになれば、劣化と破損の問題が今以上に深刻になるでしょう。これから国が開けて、軍事政権から開放される時代がくれば、どこの国もたどってきた道を歩むことになるのでしょうか。
ヤンゴンの少年小僧達。寺院では僧侶だけでなく一般の人も裸足にならなければなりません。靴下もNGです。
この牛車は観光客目当ての見せ物ではありません。ミャンマーでは普通に馬や牛が交通手段として使われています。ちなみに外国人が車やオートバイの運転は禁止されてます。道を知らない外国人の事故を防ぐためでしょうけど、交通量を制限することにもなるので、納得です。
バガンでみためずらしい双子の仏像です。ミャンマーでは仏様のお顔に金箔を貼る習慣があります。
世界三大仏教遺跡のバガン。70kmも続く平野に2000以上の寺院とパゴダが散らばっています。幻想的で壮大なバガンの景色はまさに圧巻です。
バガンの夕日は格別に美しい。
お昼休みをとる少年小僧たち。
イラワジ川の朝日。ミャンマーで毎日見た美しい朝日と夕日が目に焼きついてしまいました。十日間では短すぎると感じるほど充実した旅でした。本来の人間の豊かさはこういう暮らしなんだと考えさせてくれました。民主化が進み、消費社会へなっていっても今のミャンマーらしさを失わないでほしいと願います。
by jalan11
| 2012-01-25 16:07
| 旅
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by jalan11
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